【徹底解説】SAPコンサルタントの単価相場2025|モジュール別の報酬格差と2025年の崖

SAPコンサルタントは、フリーランス市場の中でも最も高単価な専門職の一つです。
S/4HANAへの移行需要、2025年の崖(2027年問題)、RISE with SAP の普及など複数の要因が重なり、2025年時点の単価は過去最高レベルに到達しています。

FreeConsultant.jp「フリーコンサル案件調査2025」 によると、SAP関連案件は IT・DX系案件の中でも最上位の単価帯に属し、月150〜200万円の案件が珍しくない領域 とされています。
また、プロディーユース「フリーコンサル案件レポート」 においても、SAPコンサルの報酬は 専門モジュールごとの希少性によって明確に差が出る と指摘されています。

本記事では、2025年時点のSAPコンサル単価をモジュール別に整理し、2025年の崖による今後の動きまでを解説します。

2027年問題とは?

SAPは長年「SAP ERP(ECC)」という旧ERPシステムを提供してきましたが、
2027年をもって ECC の標準保守を終了する と公式発表されています。

つまり、
すべての企業が SAP S/4HANAという次世代ERPへ実質的に移行必須
という状況になっています。

SAP単価が高騰している背景

SAPコンサルの単価が高騰している理由はいくつかありますが、最大要因は 移行需要の本格化 です。

2027年の壁によるS/4HANA移行ラッシュ

ECCの保守期限が迫ることで、多くの企業がプロジェクトを開始しています。
移行には業務理解・基幹システム知識・移行方法論の理解が必要なため、経験者が不足し単価が上昇しています。

ERP刷新は企業の最重要プロジェクト

ERP刷新は会社全体の基盤を変える大規模プロジェクトであり、失敗が許されないため、経験豊富な外部SAPコンサルに依頼するケースが増加 しています。

RISE with SAP による継続需要

クラウド移行後も改善・追加開発・運用が続くため、単発ではなく継続案件として依頼されやすく、市場全体として単価が安定しやすくなっています。

2025年のSAPコンサル単価相場(総論)

2025年時点のSAPコンサルの単価は、経験者であれば 月130〜200万円 が中心帯です。
特に上流工程を担う場合、180万円を超えるケースも増加しています。

プロディーユース「フリーコンサル案件レポート」 でも、SAP関連は最上位単価領域として分類されており、他の技術コンサル領域と比べても明確に高い傾向が見られます。

モジュール別の単価相場と報酬格差(2025年版)

SAPコンサルの単価は、担当モジュールによって大きく変動します。
ここではモジュールごとの特徴と単価帯を解説します。

FI(財務会計)|最も高単価化しやすい領域

FIは財務基盤を扱うため、ERP刷新の中心となるモジュールです。
企業の決算・会計処理・税務に関わるため専門性が高く、単価は 160〜200万円 に達するケースも増えています。

財務経験があるコンサルは特に強く、上流工程から入れるため単価が上振れしやすい領域です。

CO(管理会計)|ビジネス理解が求められる希少領域

COは予算管理・原価管理・経営分析など、企業の“儲けの構造”に関わるモジュールです。
単価帯は 150〜190万円 が中心で、管理会計の知識を持つコンサルは重宝されます。

MM(購買管理)|製造業需要に支えられ安定高単価

MMは購買・調達プロセスを扱うため、製造・物流企業で需要が高いモジュールです。
単価帯は 140〜180万円 程度で、特にグローバルロールアウトでは高額になりやすい傾向があります。

SD(販売管理)|販売・物流の知識と相性が良い

SDは受発注・出荷・請求など企業の売上に直結する領域を扱います。
単価は 140〜180万円 が中心帯で、複数業界で採用されるため常に案件が途切れにくいという特徴があります。

PP(生産計画)|希少性が高く単価が上振れしやすい

PPは生産管理を扱うため、製造業の深い知識が求められます。
人材が少ないため、単価は 150〜190万円 と高く、工場経験者からのキャリアチェンジが成功しやすい領域です。

QM(品質管理)|ニッチだが高単価

QMは品質管理・検査プロセスを扱う特殊なモジュールで、人材希少性が高い領域です。
単価は 150〜180万円 程度で安定しています。

モジュール別で単価に差が出る理由

SAPは「業務 × システム」を深く理解する必要があるため、担当モジュールごとの業務知識が単価に直結します。
FI/CO といった上流モジュールほど単価が上がりやすい理由は、システムだけでなく 経営基盤の理解が求められるため です。

一方、MM/SD/PP などは業界経験によって強みが形成されやすく、案件数が多いため単価が安定しやすい構造になっています。

2027年の壁が単価相場に与える影響

2027年の壁とは、SAP ERP(ECC)の保守終了に伴い 全世界で移行プロジェクトが発生する問題 です。
このタイミングで SAPコンサルの需要が最大化し、単価はさらに上昇する可能性があります。

特に影響が大きいのは以下の3点です。

経験者の取り合いによる単価上昇

移行経験者は極めて希少なため、2025〜2027年は単価が下支えされやすい期間です。

海外プロジェクト需要の増加

日本企業の海外拠点ロールアウトでは、追加でSAPコンサルが求められ、報酬は上振れしやすくなります。

移行後も改善・運用支援が続く

S/4HANAは導入後も継続改善が前提となっているため、2027年以降も需要が落ちにくい構造です。

SAPコンサルは今後も“最強の高単価領域”であり続ける

2025年時点でSAPコンサルの単価相場はすでに高水準ですが、移行需要のピークが近づくことで今後も高単価が維持される可能性が高い領域です。
特に FI/CO、PP、SD/MM は需要が極めて強く、継続案件につながりやすいことからフリーランスとしての安定性も高い職種です。

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投稿者プロフィール

堤史明/Tsutsumi Fumiaki
堤史明/Tsutsumi Fumiaki
Ascend株式会社 代表取締役
早稲田大学卒業後、NEC、アクセンチュア、BCG(ボストンコンサルティンググループ)を経てAscendを創業。
製造業を中心に、SCM戦略策定/業務設計やERP導入などのグローバルプロジェクトをリードし、
DX/IT戦略立案、PM/PMO、新規事業開発など、企業変革を支えるコンサルティングに幅広く従事