【徹底解説】RISE with SAP の推進で増えるフリーランス需要

近年、SAP領域におけるフリーランス需要が再び大きく伸びています。その背景として注目されているのが、RISE with SAP の本格的な推進です。

オンプレミス型ERPからクラウド前提のS/4HANA環境へ移行する企業が増える中で、SAPプロジェクトの性質そのものが変化しています。その結果、SAPコンサルタント、とりわけフリーランス人材に求められる役割と需要が拡大しています。

本記事では、RISE with SAPとは何かを整理したうえで、なぜフリーランス需要が増えているのか、どのような人材が求められているのかを解説します。

RISE with SAPとは何か

クラウド移行を前提とした包括的なサービス

RISE with SAPは、SAPが提供するクラウド移行支援サービスです。S/4HANAへの移行に加え、インフラ、運用、セキュリティ、継続的な改善までを含めた包括的な枠組みとして提供されています。

従来のSAP導入は、システム構築がプロジェクトのゴールになりがちでしたが、RISE with SAPでは導入後も継続的に業務とシステムを最適化していくことが前提となっています。

システム刷新ではなく業務変革が主目的

RISE with SAPは単なる技術移行ではありません。企業にとっては、業務プロセスやIT運用の考え方を根本から見直す取り組みになります。そのため、設定作業だけでなく、業務全体を俯瞰して設計できる人材が求められるようになっています。

RISE with SAPの推進でフリーランス需要が増えている理由

継続的な支援が前提となるプロジェクト構造

RISE with SAPでは、移行して終わりではなく、移行後の改善や追加対応が継続的に発生します。そのため、企業は正社員だけで体制を組むのではなく、必要なフェーズごとに外部の専門家を活用する傾向を強めています。

この構造が、フリーランスSAPコンサルの需要を押し上げています。

ベンダー任せにできない領域の拡大

インフラや基盤部分はSAP側が担う一方で、業務設計や社内調整、意思決定支援は企業側の責任になります。この領域はベンダー任せにしづらく、第三者的な立場で関与できるフリーランスコンサルが重宝されやすくなっています。

RISE with SAP案件で求められるフリーランス人材像

業務理解を軸にしたコンサル型人材

RISE with SAP環境では、従来のような大規模カスタマイズは前提とされにくくなっています。そのため、標準機能を理解したうえで、業務をどう変えるかを提案できる人材が評価されます。

業務視点を持ち、現場と経営の橋渡しができるSAPコンサルは、フリーランス市場でも需要が高い状態です。

上流工程から関与できる経験者

構想策定や要件定義といった上流工程から関与できる人材は、特に評価されやすく、単価も上がりやすい傾向があります。RISE with SAPでは初期判断の影響範囲が広いため、意思決定を任せられる人材ほど重宝されます。

実務の現場では、モジュールごとに期待される役割もより具体化しています。

FI領域では、経理部門が気にする「締めに間に合うか」「例外処理に対応できるか」といったポイントを先回りして考えられる人材が評価されます。会計制度とSAPの両方を理解したうえで、「これはSAP標準では難しい」と早い段階で判断できる人は、現場からの信頼を得やすくなります。

CO領域では、経営や企画部門が「何を見たいのか」を数字の構造として整理できる視点が求められます。正解が一つではない前提で、複数の設計案を提示し、関係者と一緒に考えていけるスタンスが重要になります。

SD領域では、営業や出荷といった売上に直結する業務を止めないことを最優先に考えられるかどうかが評価の分かれ目になります。業務影響を意識した設計や判断ができる人材ほど、現場で重宝されます。

MM領域では、購買や在庫の実運用を理解し、「現場が実際に回るかどうか」を見て判断できることが重要です。標準化と現場運用のバランスを取れる人は、RISE with SAP環境でも評価されやすくなります。

RISE with SAPがSAPフリーランスの単価に与える影響

RISE with SAP関連案件では、単なる移行作業ではなく、業務変革や運用設計が求められるため、案件単価は高水準で推移しやすくなっています。

特に、FIやCOといった基幹領域や、全体を横断するPMO的な立場で関与できる人材は、月150万円を超える水準での契約も珍しくありません。また、移行後も継続的な改善が前提となるため、長期案件につながりやすい点も特徴です。

このような単価差が生まれる背景には、モジュールごとの難易度の違いがあります。

FIは会計・税務といった制度理解が必要で、障害が発生した場合の影響範囲が会社全体に及ぶため、難易度が高い領域とされています。「止められない」プレッシャーの中で判断できるかどうかが、大きな評価ポイントになります。

COは業務知識と設計思想の両方が求められ、正解が一つではない点が難しさにつながります。経営判断に直結する情報を扱うため、思考力や説明力が重視されます。

SDは業務量や例外パターンが多く、テストや影響確認の抜け漏れが起きやすい点が難易度を押し上げます。売上に直結する領域であるため、慎重な判断が求められます。

MMは他モジュールとの依存関係が強く、影響範囲を正しく読み切れないと、後工程で大きなトラブルにつながる可能性があります。全体を俯瞰する視点が必要になるモジュールです。

SAP未経験・経験浅でもRISE with SAPに関われるのか

RISE with SAPは高度なテーマではありますが、すべての案件が上級者向けというわけではありません。業務側メンバーやPMO、移行支援といった形で、経験に応じた関与の仕方が存在します。

重要なのは、従来型SAPとクラウド前提のSAPの違いを理解し、その背景を説明できることです。この理解があるだけでも、プロジェクト内での評価は大きく変わります。

今後もRISE with SAPはフリーランス需要を押し上げる

SAPのクラウド戦略が続く限り、RISE with SAPの流れは一過性のものではありません。オンプレミス環境を持つ企業が存在する以上、移行需要は今後も継続します。

その結果、SAPフリーランスは移行前・移行中・移行後のすべてのフェーズで活躍の機会を得られる状況が続くと考えられます。

まとめ|RISE with SAP時代は業務とクラウドを理解する人が選ばれる

RISE with SAPの推進によって、SAPコンサルに求められる役割は確実に変化しています。設定作業だけでなく、業務設計や合意形成、継続改善までを担える人材ほど、フリーランス市場で評価されやすくなっています。

RISE with SAPは、SAPフリーランスにとってハードルではなく、専門性を高めるチャンスといえるテーマです。

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投稿者プロフィール

堤史明/Tsutsumi Fumiaki
堤史明/Tsutsumi Fumiaki
Ascend株式会社 代表取締役
早稲田大学卒業後、NEC、アクセンチュア、BCG(ボストンコンサルティンググループ)を経てAscendを創業。
製造業を中心に、SCM戦略策定/業務設計やERP導入などのグローバルプロジェクトをリードし、
DX/IT戦略立案、PM/PMO、新規事業開発など、企業変革を支えるコンサルティングに幅広く従事