SAPコンサルタント完全ガイド｜市場・単価・必要スキルを徹底解説【2025年版】

2025年12月10日 最終更新日時 : 2025年12月21日 堤史明/Tsutsumi Fumiaki堤史明/Tsutsumi Fumiaki

SAPコンサルタントは、フリーランス市場において最も高単価かつ需要の高い専門領域の一つです。ERP刷新需要の高まり、2025年の崖（2027年問題）、RISE with SAP の浸透によって、企業の外部パートナー依存度は大幅に上昇しています。
CONSUL GLOBAL「国内コンサルティング市場規模レポート2024」 によると、日本のコンサル市場は2023年度に約2兆23億円へ拡大し、その中でも ERP・DX領域の人材不足が顕著である と報告されています。

本ガイドでは、SAPコンサルタントとして独立したい人、単価を伸ばしたい人に向けて 市場動向・単価相場・モジュール別の特徴・必要スキル・キャリアパス のすべてを体系的にまとめます。

目次

SAPコンサル市場の現状と需要の高まり

SAPコンサルの案件は2023年以降右肩上がりで増えており、その背景にはいくつかの主要トレンドがあります。

2025年の崖による刷新需要のピークが迫っている

SAP ERP（ECC）の保守が2027年までとされ、各社が S/4HANA への移行を急ピッチで進めています。
多くの企業が 準備段階から本移行プロジェクトへ移りつつある時期 であり、FI/CO/MM/SD など基幹系モジュールの需要が特に高くなっています。

外部パートナーへの依存が加速

ERP刷新は非常に専門性が高いため、社内だけで対応できる企業は限られます。
そのためフリーランスコンサルタントの需要が増大し、案件単価も上昇。
FreeConsultant.jp「フリーコンサル案件調査2025」 によると、IT・DX系フリーランス案件の中心単価は月120〜150万円であり、SAP系はさらに上振れしやすい とされています。

RISE with SAP による継続案件化

クラウド化の進展に伴い、導入後の 運用・改善フェーズにおいても外部人材が必要 となり、長期案件が増加しています。
導入だけでなく「継続的な改善」の支援まで求められるため、専門家は途切れなく案件を獲得しやすい状況です。

SAPコンサルタントの単価相場｜最も稼げる領域の実態

SAP領域はフリーランス全体の中でも圧倒的に単価が高いジャンルです。
プロディーユース「フリーコンサル案件レポート」 では、SAP案件の多くが 月150〜200万円レンジ に分布すると報告されています。

モジュール別の単価傾向

単価の高さは、扱うモジュールの専門性によっても変わります。

FI（財務）
財務会計の基盤を扱うため上流に入りやすく、最も高単価化しやすい領域です。

CO（管理会計）
経営管理・原価管理を扱うため、財務や管理会計の経験者が高く評価されます。

MM（購買）・SD（販売）
製造・物流業界で需要が非常に高く、長期化しやすい特徴があります。

PP（生産計画）・QM（品質管理）
製造業特化のため人材が少なく、希少性が高いモジュールです。

全体として、SAPコンサルの単価は フリーランス市場で最上位クラス に位置づけられています。

モジュール別に見る役割・向いている人物像

SAPはモジュールごとに業務領域が分かれているため、自分の経験と相性の良い領域を選ぶことが重要です。

FI（財務会計）

決算、会計処理、税務まで扱うため、経理経験者が非常に強い領域です。

CO（管理会計）

予算管理、原価計算、経営管理を扱うため、ビジネス全体を俯瞰する力が求められます。

MM（購買管理）

調達業務の経験がある人に適しており、製造・物流プロセスを理解していると強みになります。

SD（販売管理）

営業・物流・請求処理を扱うため、営業管理やロジスティクス経験と相性が良い領域です。

PP（生産管理）

製造の現場知識を必要とするため、工場勤務の経験者がキャリアチェンジしやすい傾向があります。

SAPコンサルに求められるスキルセット

SAP領域では 技術スキル × 業務理解 × コンサルスキル の掛け合わせが不可欠です。

SAP特有の技術スキル

標準機能の理解、Fit/Gap分析、カスタマイズ要件定義、テスト計画、データ移行などが求められます。

業務理解

SAPは業務そのものをシステム化するため、業務知識が不足していると要件定義が成立しません。
モジュール選びは 自分の職務経験に最も近い領域 にすることが成功率を高めます。

コンサルスキル

ステークホルダー調整力、要件整理、資料化など、いわゆる上流工程のスキルが単価の差を生みます。

未経験からSAPコンサルになるには？

未経験からSAPコンサルになるのは難易度が高いですが、隣接領域からであれば十分に可能です。

特に以下の職種はスムーズに転向しやすい傾向があります。

  • 経理 → FI
  • 管理会計 → CO
  • 購買 → MM
  • 営業・物流 → SD
  • 製造現場 → PP/QM

最初は「サポートロール」からスタートし、徐々にモジュール担当・上流工程へ進むキャリアが一般的です。

今後のSAP市場はどう変化していくのか？

2025〜2027年は S/4HANA への移行需要がピークを迎え、フリーランス市場は最も活性化すると予測されています。
移行後も 運用改善・追加開発・グローバルロールアウト が続くため、案件需要は継続する見込みです。

SAPコンサルは一度スキルを確立すれば、長期的に価値提供し続けられる職種です。

まとめ｜SAPコンサルはフリーランスの中でも群を抜く高需要・高単価領域

SAPコンサルタントは市場規模・単価・将来性のすべてが突出した領域であり、フリーランスとしての安定性と高収入を両立しやすい職種です。
自分の経験に合うモジュールを選び、スキルを積み上げることで、150万円以上の高単価案件も現実的に狙えます。

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投稿者プロフィール

堤史明/Tsutsumi Fumiaki
堤史明/Tsutsumi Fumiaki
Ascend株式会社 代表取締役
早稲田大学卒業後、NEC、アクセンチュア、BCG（ボストンコンサルティンググループ）を経てAscendを創業。
製造業を中心に、SCM戦略策定/業務設計やERP導入などのグローバルプロジェクトをリードし、
DX/IT戦略立案、PM/PMO、新規事業開発など、企業変革を支えるコンサルティングに幅広く従事
カテゴリー
SAP
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